「みんなが力を合わせれば世の中を変えられる」と考えることの罠

「みんなが力を合わせれば世の中を変えられる」と言っている人たちが世の中には少なくないのだけれど、実は、このような考えを持つ人たちが世の中を変えることができる可能性は低い。なぜならば、彼らは、裏を返せば「みんなが力を合わせなければ世の中を変えられない」という信念を持つ弱気な人たちであるからだ。

普通、「みんな」の力を合わせるためには多くの時間と労力が必要だが、その「大事業」を成し遂げるまでの間は、彼らは世の中を変えることができないし、せっかく「みんな」を集めても、思うような成果を上げられない時間が続くと、最も弱気になる人たちから順にその「集合体」から「一人、二人、・・・・」という具合に去り始め、その数が増えるに従い、弱気になる人たちが加速度をつけて増加し、あっと言う間に集合体が瓦解してしまうという経過を辿りがちである。
つまり、「みんなで力を合わせて世の中を変えよう」という試みのほとんどが「みんな」を集めることだけでエネルギーを消費尽くしてしまい、結果として世の中を変えることができないという罠に容易に陥ってしまうのである。
とかく「みんな」を集めて世の中を変えようとしている「集合体」の方に目が行きがちだが、本当に世の中を変えるような動きは、もしあるとしたら、目立たないところで静かに進行しているものだ、ということは頭の片隅にでも置いておいてもらいたいものである。
実は、「インターネット以後」には、このような目立たないところで静かに進行するプロセスを、過去のどの時代と比べても、ずっと進め易くなっている。「みんな」を集める時間と手間で、独りでプロセスを少しでも前に進める方が、ずっと世の中を変えることができると私は考えている。

 

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