貧困の連鎖の根因について

はじめに、朝日新聞デジタルの記事「低所得の家庭多い小中校に教員2千人増 文科省が方針」の一部を引用する。
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子どもの貧困率が悪化する中、文部科学省は所得の低い家庭が多い公立小中学校の教員を来年度からの10年間で2千人増やす方針を固めた。塾に行けない子に放課後補習を行うことで貧困の連鎖を断ち切るのが狙い。
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貧困の連鎖を断ち切ろうと思えば、お金を払ってでも買いたい魅力ある商品(モノやサービス)を生み出し、あるいは調達し、これを提供できる存在になればよい。そのために必要なことは塾に通うことでも学校で補習を受けることでもない。
魅力ある商品を提供するためには、自分で考えたり試行錯誤を重ねたりする必要がある。
塾や学校は、そのようなことができる人間を育てるところではない。
「貧困の連鎖を断ち切るためには塾や学校の補習が必要である」と信じて学習に励む子供は、魅力ある商品を提供できる大人になることは難しいだろう。
魅力ある商品を提供する術を知らない人は、会社をクビになれば露頭に迷うので、劣悪な労働条件のもとでも働く。あるいは、独立した場合は単なる下請けになり下がり、取引を停止されると食えなくなるので、劣悪な条件で仕事を請け、買い叩かれる。
つまり、魅力ある商品を提供する術を知らない人は、搾取され、長時間働くのに経済的に豊かになれないという「ワーキングプア」の状態に陥りやすくなる。
このような状況に甘んじている人は、自分の子供に、魅力ある商品を提供できる人間になることの大切さを教えることができない。ここに貧困の連鎖を断ち切れない根因が存在する。
文科省によるこのような施策は「貧困の連鎖を断ち切るためには塾や学校の補習が必要である」という信念を抱く人間を一層増やすだろうが、このことにより、貧困の連鎖を断ち切れない人は逆に増えるかもしれない。

 

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