日本経済再生の鍵は「変わるための時間」を捻出すること

マクロ経済学には、学派やグループなどによって様々な理論体系があるが、共通しているのは、政府や中央銀行が何をなすべきかを判断するための理論的な指針を与えるものである、ということである。

アベノミクスは、「リフレ派」と呼ばれる人たちの理論をベースにしたマクロ経済政策のセットであるが、(説明は省くが)これは考え方が基本的に間違っている。では、他に適切なマクロ経済政策が存在するかと言えば、答えは「否」だろう。

日本経済は、もはや政府や中央銀行がいくら思い切った経済政策を断行しても、再生できない状態にある。

政治家は今後も「日本経済を再生させます」と言うだろうが、政府や中央銀行が使える手法は実はそんなに多くなく、できることには限りがある。

だから、政治に期待し過ぎるのは間違いである。

要するに、企業が変わる必要があるのである。日本経済が長期間停滞しているのは企業が変われないからだ、と考えるのが妥当。

しかし、企業の中にも変われる企業とそうでない企業がある。前者は生き残る可能性があるが、後者は淘汰されるだろう。

日本企業の多くが変われないのは、「変わるための時間」を確保できていないからだろう。

経営者や「エリート社員」たちが長時間労働を強いられていて、戦略や改革案を考える時間を十分確保できない状態にある。だから、本質を突いたまともなプランが出てこない。

まずは、考える時間を捻出するところから始める必要がある。

そのための方法の一つが「テキストのやりとりだけでおおかたのことをコミュニケートできる組織や取引圏を創る」である。
http://bedman.jp/archives/192
http://bedman.jp/archives/190

これは実際に試せばわかると思うが、結構、多くの時間を捻出することができる。文章を書いたり読んだりすることが苦手な人たちには難しいが、できる人たちから始めて、少しずつ「変わるための時間」を増やしていけばいい。

この方法によって捻出された時間を使って、さらに生産性を高める方策を考えて、これを実行し、さらに多くの時間を確保する。身体を休めたり睡眠をとる時間を増やして、能率を高め、頭脳を明晰な状態にする。熟考したり試行錯誤したりする時間が増えれば、良い製品やサービスのアイデアも生まれてくるだろう。

このようなことから変えていけば、好循環を作れる可能性が出てくるはずだ。

ただし、日本全体が変わるには少なくとも10年から20年の歳月が必要であろう。これは経済の過去の歴史を振り返ればわかることだが、一国の経済全体が一新するためには、それぐらいの時間は平気でかかるものなのである。

しかし、企業経営者たちが、政治に期待するだけで、自ら変わろうとしなければ、日本経済は衰退していくのみである。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でBedman.jp/内野晴仁をフォローしよう!