電子メールを導入して生産性を上げる組織と下げる組織がある

同じ電子メールを導入しながら、生産性を上げる組織と下げる組織が存在する。

後者の中には「電子メールを使うと生産性が落ちる」と断定し、これを使うことを止めた企業もある。

その会社の経営者の視野の中に、生産性を上げた他の組織の存在が入っていれば、「電子メールを使うと生産性が落ちる」と断定することはなく、「自分たちの使い方が悪い」と判断して、使い方を見直していたのだろうが、視野が狭かったためにそのような判断が出来なかったようだ。

今後、電子メールの使い方を洗練させていく競合他社との間の生産性の差が拡大していき、次第に市場の中での地位を落としていくことは目に見えている。

電子メールをいち早く使い始めた人たちは総じて文章の読み書きの能力が高く、テキストを交換することだけでたいていの用件を伝え合うことができたものだが、これが一般に広く普及するようになった頃から、一読しただけでは何を言いたいのがつかめない、文章とも言えないテキストが送られてくることが増え始めた。しかも、そのような電子メールを送ってくる人は、こちらが送ったテキストを丁寧に読まない。相手がそのような人だと、最初のメールで何を伝えたかったのかをはっきりさせるだけでも電子メールを何通もやりとりしなければならない。

電子メールは他の人の作業を中断したり集中力を途切らせたりしないためのツールとしても使えるが、1回の電子メールのやりとりで用件を伝えられない人たちを集めた組織では、送受信する電子メールの数が膨大になり、途切れることなく電子メールをチェックして返信しなければならないという状況に陥りやすい。これでは作業に集中できるはずもなく、生産性は落ちるだろう。

そういうケースでは電話やface to faceで話をする方が早いのだが、テキストだけで用件を伝え合える人とのやりとりと比べれば、ものごとの進捗はずいぶん遅くなる。当然、生産性も低い。

テキストで伝えたいことをちゃんと伝えられる人を集めた組織では電子メールを導入すると生産性が高まり、そうでない組織では生産性が落ちる。

要するに、そういうことなのだろうが、テキストだけで用件を伝え合うことができない人たちが「やっぱり電子メールよりもface to faceがいいですよね」と共感し合いながら、生産性の低い状態に留まり、長時間労働に勤しみ続ける様を見るたびに、非常に残念な気持ちになる。

 

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