「安倍話法」を牽制することはできる

鈴木耕さんという方の「『安倍話法』という詐術」という文章がtwitterのタイムライン上を流れてきた。http://www.magazine9.jp/article/hu-jin/17661/

この中に次のような一文がある。

—–引用ここから—–
ネット右翼のひとつの特徴に「相手が言ってもいないことを、あたかも言っているようにあげつらって、それを批判する」という手口がある。いわゆる“マッチ・ポンプ”ってやつだ。
—–引用ここまで—–

こういう「手口」を使う人は、ネット右翼に限らず、左翼にも、放射脳にも、原発推進派にも、平和主義者にも、一般人にも、どっさりいる。安倍ちゃんもそういう手口の常用者だが、反安倍の人たちの中にも、彼の発言を都合よく加工し、拡散し、彼が言っていない発言に対して批判している人がいる。

文字で書かれた他者の発言に対してコメントをする時に、その発言をそのまま引用して、それに対して反論するなり批判するなりすればいいものを、わざわざ加工して、それに対して反論・批判を差し向けてくる人は少なくない。加工した文にご丁寧に引用符をつける人もいる。

「AはBである」との主張に、「お前はAはBではないと言ってるが、とんでもない。AはBだ。」と言って激しく叩いてくる人と出くわすことも年に数回はある。

これらの人々に共通しているのは「質(たち)が悪い」ということだ。他者の話はよく聞かないし、文章も丁寧に読むことはなく、自分の都合の良いように解釈し、ほとんどの場合、「誤解」「誤読」する。こういう習性が身につくと、よほどのことがない限り、一生治らないだろう。本を読んでも著者の真意や意図は理解できないまま、勝手に解釈してわかったような気になっている読者は非常に多い。

このように「理解」というものから疎外された人たちとなんとかコミュニケーションを成立させようと試行錯誤した時期もあるが、「原理的に無理である」と諦めることにした(他者の言葉をよく聞かず、よく読まずに勝手に解釈する人相手に、自分の考えていることを正確に伝えて理解させる方法をご存知の方は教えて欲しい)。

ただし、こういう人たちの暴走を「牽制」することは可能である。

鈴木耕さんは、こういう手口を使う安倍ちゃんについて

—–引用ここから—–
こんなやり方だったら、もう安倍首相は向かうところ敵なしだろう。なにしろ、相手が何を言ってきたって、中身は聞かずに勝手に想像してやり込めてしまう。言い合い(議論ではない)に負けるはずがない。まさに「安倍話法」の面目躍如である。
—–引用ここまで—–

と書いているが、こういう連中を牽制するものの言い方は存在する。

「安倍語法」のようなものの言い方をする人は、家庭にも、組織にも、社会にも、一定の割合で存在するのであって、そういう人たちを前にして常に「お手上げ状態」になるしかないのであれば、「安倍語法」を弄する者たちの暴走は止められないものだと考えて諦めるしかない。

しかし、「安倍語法」を牽制することはできるのである。

例えば、ネット上のやりとりでは、「そんなことを考えたことも書いたこともないけど、どこに書いたか?」と問うて、過去ログを探させればいい。多くの場合、自分の発言を削除して逃走する。それでもいろいろ難癖をつけてくる者もいるが、それを黙らせる方法はある。

口頭のやりとりで牽制することは難しいけど、国会では速記録を残しているので、「そんなことを考えたことも言ったこともないけど、いつそんな発言をしたか?速記録を確認して、そのような発言がなければ謝罪してください。」と言えば良いと思う。

鈴木耕さんの文章では、共産党の小池さんと安倍ちゃんのやりとり
—–引用ここから—–
小池議員:拘束されていると知りながら演説をすれば、ふたりの日本人に危険が及ぶかもしれない、という認識はなかったんですか?
安倍首相:私たちは過激主義と戦うアラブの国を支援することを表明したんです。いたずらに刺激することは避けなければなりませんが、同時にテロリストに過度な気配りをする必要はない、と思うわけであります。
小池議員:過度な気配りをせよ、などと私は一言も言っていないですよ。総理の言葉は重いわけです。
安倍首相:小池さんの質問は、まるでISIL(イスラム国)に対して批判してはならないような印象を我々は受けるわけでありまして、それはまさにテロリストに屈することになるんだろう、と思うわけであります。
小池議員:そんなことは言ってない…。(この後、場内騒然)
—–引用ここまで—–

が紹介されているが、小池さんは、

「安倍首相、私はいつ『ISIL(イスラム国)に対して批判してはならない』と言いましたか? 速記録を確認して、そのような発言を確認できない場合は謝罪してください。」

と言えばよかった。

こういうものの言い方を野党議員全員が身につければ、安倍話法をかなり牽制・無効化できるだろう。

ただ唖然としたり、怒ったり、これを批判したりしているのは、「安倍話法」を牽制・無効化する方法も身につけずに国会議員になった人たちであり、これは武術を身につけずに戦に出陣するようなものだ。

「安倍話法」的なものの言い方を牽制する術は、「安倍話法」的なものの言い方を弄する「質の悪い人たち」とやりとりする過程で身につくが、そういうチャンスはたくさんあるにもかかわらず、批判や非難にうつつを抜かしてきた野党議員はそういう術を磨くことはなく、翻弄されるだけで終わり、「安倍話法」を弄する権力者の暴走を許してしまう。

「安倍話法」を弄する習性を身につけた人は、一生、治らないのだから、こういう人を批判しようと思えば、死ぬまでできる。しかし、いくら批判しても「安倍話法」を身につけた人は、これを弄することを止めることはない。

「安倍話法」に唖然としたり、怒ったり、これを批判したり批判することにうつつを抜かすのではなく、これを牽制する「定石」を生み出したり身につけたりすることに、時間とエネルギーを投入してはどうだろうか。

 

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